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もし、八ヶ岳南麓に高速道路ができたらどうなるでしょうか?

国交省の説明は、地域にこんな不便があるので、高速道路ができれば、これだけ便利になりますよという、プラスの面からしか、プロジェクトを評価をしません。
日本では、高速道路がもたらす不利益などマイナス面を全く考慮しなくてよい仕組みになっているのです。景観破壊や自然環境破壊をしようが、関係ないのです。 
高速道路はとにかく、「一分でも早く目的地に着く」、それが最大の目的で建設されると言っても過言ではありません。

中部横断自動車道は、八ヶ岳南麓のもっとも魅力ある地域をぶち抜こうとしています。
私たちは、効率を目的にした高速道路が八ヶ岳南麓に本当に必要か、そして、次世代に残すべき八ヶ岳の財産は何かを、客観的に冷静に判断する必要があります。

■高速道ができた場合のデメリット(不利益)■
●日本の財産である南麓景観の喪失、北杜市の財産の喪失
・八ヶ岳南麓の360度の眺望景観は世界に誇れる日本の宝です。北杜市の財産です。
しかし、高速道路は、眺望を切り裂き、雄大な景観を分断します。 
私たちは、永遠に、日本の資産である八ヶ岳南麓の景観を失ってしまいます。
一度失うと、もとに戻りません。 
・北杜市は、最大の観光資源「景観」を失います。 最大の魅力の景観をなくせば、地元経済への影響は大きいです。

●通過型観光地になる
・高速道路ができれば、八ヶ岳は通過型観光地になります。日帰り客を増加させるだけで、観光業への打撃は明らかです。地元観光業者は戦々恐々としています。
・日帰り観光客の増加や、通過型の落ち着きのない環境では、宿泊したくなる良質の観光地にすることは不可能です。 これは、北杜市の長期滞在政策とも矛盾します。

●自然環境の悪化
・高速道の照明、自動車のライトにより、美しい星空(暗闇)がなくなります。 
  澄んだ空気、高い晴天率、広い空の八ヶ岳南麓は、星空観測地として知られています。
・車の騒音で、静寂さがなくなります。 八ヶ岳で観光客がまず気がつくのが、静けさです。
  野鳥のさえずり、木の葉のざわめき、落ち葉を踏む音が聞こえます。
・車の排気ガスで、高原の爽やかでおいしい空気が、失われます。

●別荘需要の低下、 建築需要の低下
・景観や自然の喪失、騒音や光害による地域の魅力低下で、 別荘需要は低下し、地価も下落するため、不動産業や建築業も打撃を受けることは明らかです。地域経済を衰退させます。
・八ヶ岳南麓は魅力がなくなれば、リゾート地としての魅力はなくなり、不動産業への影響も大きいです。

●生態系への影響
・八ヶ岳南麓の豊かな森林を分断し、野生動物や植物の生息環境を著しく悪化させます。
  八ヶ岳南麓は標高差があるため、野生動物や植物が豊かです。日本有数の野鳥生息地。
・オオタカやヤマネ(日本固有種で準絶滅危惧種)の生息地を消滅させるでしょう。 

●湧水群の切断。農業・暮らしへ悪影響
八ヶ岳南麓は豊かな湧水群の恩恵を受けてきました。高速道路はそれらの水脈を切断するため、農業、暮らし、生態系への影響が懸念されます。
・数本の川と交差し、湧水への影響を減らすには、高架橋しかないでしょう。周辺より低くした高速道路(掘割方式)は、工事費が高く、今の国の財政では無理でしょう。

●景観や地形は激変する。巨大な高架橋が八ヶ岳南麓の雄大な景観を分断して建設されることを想像してください。
・美しい八ヶ岳南麓からの山なみ景観を、私たちは永遠に失います。
・4車線の高速道路が最終計画のため、清里有料道路を利用しても、最終案では、もう一本川俣渓谷に橋が造られます。
・今ある道路とは立体交差になり景観や地形が激変します。
・清里有料道路が高速になれば、出入りが不便になると思われます。
・通行料は無料とされていますが、将来まで約束されたものではありません。
  (現在、税金を使う国直轄工事の箇所は無料とされているため。)

■高速道ができた場合のメリット(利益、恩恵)■
・佐久方面、軽井沢に早くいけます。
・高速道路の工事は、地元企業は下請けとなれる可能性がありますが、
 国道の改修であれば、地元企業は下請けだけでなく元請けになれる可能性があるため、メリットは大きくなります。

残念ながら、ほかにメリットは思いつきません。なお、救急医療へのアクセスは、甲府、諏訪へは中央道を利用するため、北杜市民は関係ありません。また、高速道路より、ドクターヘリの方が効果あると言われています。

以上

北杜市は、人口5万弱にも関わらず、既にICが3カ所もあるという大変恵まれた希有なところです。
失うものの大きさを考え、将来の次世代に残すべきものを、客観的に、冷静に判断しませんか?(K)

(次回:国道141号改修のメリット)

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